ぼくにとって今夜は例外なんだ、
毎晩せっせと書き物するきまりだが。
ぼくは電話機のダイヤルに手をかけ、
そして永遠の0 7 (市外交換台) を回すんだ。
娘さん、今晩は、お名前は ?トーマ?
72番の ?息をつめて待ってますよ...
そんなはずない、も一度、きっと在宅です!
ほら、でた。 やあ、今晩は、.ぼくだよ!
今夜はぼくにとって例外なんだ、
ぼくは眠りもせず、 早く !と頼む。
ぼくが好きな人たちと話すのに、
なんで料金や通話券のことをいうのか?
娘さん、いいですか、72番さん!
待ちきれないぼくの時計は止まったまま!
ほかの呼出しなんか、ぼくはあす飛ぶんです!
ほら、でた。 やぁ、今晩は、ぼくだよ!
電話機はぼくの崇める聖像 (イコン) で、
電話帳は肌身離さぬバイブル、
交換嬢は尊いマドンナだ。
長い距離は一瞬の間縮まった。
かわいい娘さん、お願い、切らないで!
今あなたは天使、祭壇から離れないで!
一番大事なことをまだ話してないんです!
ほら、でた。 やぁ、今晩は、ぼくだよ
電話回線にまた故障が起こったって?
そこの交換機のリレーが誤動作してるって?
どっちにしろ、ぼくは待つだろう、そして
毎晚0から始めるのに異存はない。
07ですね ?今晩は、またつないで。
待ちきれません、息をつめて待ってますよ!
そう、ぼくに。もちろん、ぼく。そう、ぼくは在宅です。
つなぎます、返事を。 今晩は、ぼくだよ
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