黄色い、暑いアフリカ大陸の中央部で、
なぜか突然予想外の不幸が起きた。
象が考えなしに、 大洪水があるはずといった。
要するに、あるキリンがかもしか嬢に惚れたのだ。
そこで始まったガヤガヤの中で、
おうむ老だけが、
枝から、 キリンは高い、
よく見えると叫んだのだ。*
かもしかの母にはこんな婿殿は気に入らない、
変わりばえもせず、見ばえもせずというわけ。
キリンの母もぶつくさいう、 あんなあほ娘
そこで二頭は野牛たちの所で暮すことにした。
そこで始まったガヤガヤの中で、
おうむ老だけが、
枝から、 キリンは高い、
よく見えると叫んだのだ。*
彼女 (あれ) には角があるじゃないかとキリンは
うっとりして叫んだ。
今ではこの動物界ではみな平等なんだ。
もしぼくの全親族があれを好かないなら、
ぼくは群 (むれ) から出てゆくが、責めないでくれ
そこで始まったガヤガヤの中で、
おうむ老だけが、
枝から、 キリンは高い、
よく見えると叫んだのだ。*
黄色い、暑いアフリカに牧歌的生活はない。
キリンの父と母は鰐の涙1 を流している。
けれど、どうしようもない、今は掟がない。
今度はキリンたちの娘が野牛と一緒になった。
若いキリンは正しくなかったにせよ、
罪はない。
罪なのは キリンは高い、
よく見えると叫んだ者。
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