きょう心臓の鼓動はきこえない、
公園の小道とベンチにふさわしい音よ!
おれは胸で鉛をつかんで倒れつつ、
最後になんとか考えることができた。
こんどは戻ることができないぞ、
おれは去り、ほかの奴がやってくる。
おれたちに振り向く暇はなかったが、
若者たちが、若者たちが闘いにくる
塹壕から死へと踏みだした時、
あとは洪水にでもなれ !と誰かがいった。
だが、おれが自分の壕を出ていったのは、
洪水などがまったく起こらないためだ。
おれのまぶたが閉じてゆくいま、
おれは大地をきつく抱きしめる。
おれたちに振り向く暇はなかったが、
若者たちが、若者たちが闘いにくる。
誰がおれに代わり、攻擊にゆくのか?
誰があの念願の橋にとりつくのか?
おれが願ったのはあいつがくること、
どこもだぶだぶの服を着たあいつが。
おれはほほえむことができるぞ、
誰があとからくるのか見えたのだ。
おれたちに振り向く暇はなかったが、
若者たちが、若者たちが闘いにくる。
炸裂が心臓の鼓動を黙らせていた。
だが、それは大声で叫んでいた。
やはりおれの終わりはまだ終わりではない、
終わり—それは誰かの始まりなのだ。
おれはまぶたが閉じてゆくいま、
おれは大地をきつく抱きしめる。
おれたちに振り向く暇はなかったが、
若者たちが、若者たちが闘いにくる。
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