俺たちが残してきたのは崩落と日没だけ
ああ、せめて僅かでいい 目に見えなくていいから飛栩が欲しい!
信じたいものだ、わが黒マント隊の面々が
俺に今日、日の出を見る可能性を与えてくれることを
今日みんなの前で言われた、『立派に死んでくれ !』と
よ一し、やってみよう !どうなるか見てみようじゃねぇか
ただ俺は、ひとのタバコを吸いながら思った
『いろんな死に方があるだろうが - 俺は日の出が見たい』
特別攻擊隊は工兵にとっちゃ特別な名誉だ
木の蔭からナイフを手に俺の背中を襲うなよ!
そんなのは無駄な努力 - 俺は喉を引裂かれたって
今日はくたばるまでに日の出を見てやる
俺たちは敵の背後を進んだ 眠たげな奴らに斬りかかりたい気を押えながら
不意に気づいたのだ、鉄条網をくいちぎった時
まだたわいもない、青い、だが銳敏なひまわりが
もう頂を日の出の方に向けていた
六時三〇分、俺たちの残してきたのは - もう分ってるぞ
崩落や日没だけじやなく、飛翔も日の出もだ
二本の導火線を歯で剝きながら
日の出は見なかったが、感じたぞ まさに日が昇らんとしていること
人数の減った攻撃隊がこっちへ戻ってくる
何があろうとどうってことない 大事なめは保塁が爆破できたこと
俺は信じたい、こうした激しい仕事が あんた方には
日の出を見る可能性をただで与えてくれるだろうと
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