全力で走る、根を限りに
だが今日もきのうと同じ
俺はやられた、取り囲まれた
楽しそうに追い立てやがる、この俺を
もみの樹蔭に銃がちらつく
猟師どもが隠れているのだ
雪の上に狼たちがもんどり打って
生きた標的と化してゆく
オオカミ狩リは今やたけなわ
灰色の猛獣は老いも若きも狙われて
勢子は叫び、犬どもは激しく吠え立てる
雪の上には血、そして小旗の赤い点々
オオカミ狩りは不公平だ
お雇い猟師ども、手も震わせず
赤い小旗で俺たちの自由を奪い
自信満々、撃ってくる
狼は伝統に忠実なのだ !
赤ん坊の頃、目の見えぬ赤ん坊の頃
俺たち子オオ力ミは母親の乳房を吸い
植えつけられたのだ——旗を越えるなと
オオカミ狩りは今やたけなわ
灰色の猛獣は老いも若きも狙われて
勢子は叫び、犬どもは激しく吠え立てる
雪の上には血、そして小旗の赤い点々
俺たちは足が早く、牙は丈夫
なぜだい、大将、答えてくれ
俺たちは追われて逃げる、銃口に向って
なのに、どうして禁を破ろうとしないんだ ?
狼には出来ないんだ、どうしてもできない !
だから、俺の時代は終りそうだ
奴、俺を狙うことになってる奴
にやっと笑って、銃を向けた !
オオ々ミ狩りは今やたけなわ
灰色の猛獣は老いも若きも狙われて
勢子は叫び、犬どもは激しく吠え立てる
雪の上には血、そして小旗の赤い点々
俺は従順さを棄てた
つまリ旗を越えた——生きたい欲望は強い
後から俺は声を聞いた
人間どもの驚きの叫びを
全力で走る、根を限りに
だが今日は、きのうとは違う
俺はやられた、取り囲まれた
だが、お雇い猟師は手ぶらのまま
オオカミ狩り今やたけなわ
灰色の猛獣は老いも若きも狙われて
勢子は叫び、犬どもは激しく吠え立てる
雪の上には血、そして小旗の赤い点々
|