このはてしない空に きしむ足音が響き 熟れた畑を蹴ちらし 黒いひづめが近づく 灰降りそそぐ屋根に もうこうのとりも来ない 木々は硝煙にまみれ 歌も実りも枯れはて 人々は愛を忘れ 憎しみだけが吹き荒れ 灰降りそそぐ屋根に もうこうのとりも来ない 森はざわめき語る 大地と河はうめく みんな逃げろよ早く 厳しい冬が来るぞ 人々の去った村に もうこうのとりもいない この美しい空に ひびく戦さの足音 鳥たちの声もだまり 人は目をふせてささやく 灰降りそそぐ屋根に もうこうのとりも来ない