傷ついてよろめきた倒れるよ とどめを刺されるまで 今日も昨日と代わりはないさ 逃げて撃たれて倒れる 俺たちは生きた標的にされて 猟師たちにんまり笑い 木陰からゆっくり狙う 卑怯な手だぜ人間ども オオカミたちはみな殺し 犬と勢子に追いつめられて 雪の上に血潮たらし 沈む夕日を目に映し 俺たちは足も速いぜ 俺たちは牙も強いぜ だのになぜか逃げてばかりさ   おふくろの乳を飲んでた頃から まだ目さえあかぬ頃から 言い聞かされて育ったんだ 逆らう事は許されぬと オオカミたちはみな殺し 犬と勢子に追いつめられて 雪の上に血潮たらし 沈む夕日を目に映し 俺たちは人なぞ襲わぬ おふくろが教えた通りに おきてを守り惨めに死んでいく   破る勇気を持とうか 俺は爪をといで牙を向けた 猟師たち慌てて 銃を捨て逃げさる 昨日まではみな殺し 犬と勢子に追いつめられて 雪の上に血潮たらし 沈む夕日を目に映し                        
© 新井英一. 翻訳, ?
© 石井好子. 歌, 1988
© 新井英一. 歌, 1998
© 堀栄一. 歌, 2013