なんだかどうも違うんだ.
全部いつものようなのに。 同じ空、いつもの青さだ。
同じ森に同じ空気に同じ水。
ただあいつは、戦場から帰らなかった。
今じゃあ、おれにはわからない。 おれたちのどちらが正しかったのか、
寝ずのせわしない言い合いの時には。
あいつがいなくて、物足りないんだ、
あいつが戦場から帰らぬ今ばかりは。
あいつは妙にだんまりをきめ込んでいたり、 調子っぱずれで歌に入ったり。
いつも、とんちんかんなことをしゃべっていた。
あいつはおれを眠らせなかったものさ。 あいつは日の出とともに起きていたんだ。
だけどきのうは、戦場から帰らなかったのさ。
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